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ペットの同行避難とは?同伴避難との違いと、犬・猫と避難所で過ごすための準備・防災グッズ

暮らし・お世話
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ペットの同行避難とは?同伴避難との違いと、犬・猫と避難所で過ごすための準備・防災グッズ

同行避難とは、災害のときに犬や猫を連れて避難所まで逃げることです。避難所で同じ部屋に一緒にいられるという意味ではありません。人とペットは別の場所で過ごし、ペットはケージの中で暮らすと決めている自治体もあります。
地震や台風のとき、犬や猫を家に残すのか、連れていけるのか。迷ったまま当日を迎えないために、避難所でのペットの過ごし方、ペットと避難できる場所の調べ方、犬・猫それぞれの備えを、環境省と自治体の資料をもとに説明します。

執筆:ペトログ編集部

目次
  1. 同行避難とは?——犬・猫と一緒に避難所まで逃げること
  2. 同行避難と同伴避難の違い——同室避難は国の定義がない
  3. 避難所でペットはどう過ごす?——人とは別の場所で、ケージに入って
  4. ペットを連れて避難所に行くと断られることはある?
  5. ペットと避難できる避難所の調べ方——住んでいる市区町村で確かめる
  6. 犬・猫の防災グッズ——必要なものを優先順位で
  7. 犬・猫が避難所で過ごすための日ごろの準備——しつけ・健康管理・身元表示
  8. 猫と避難するときの注意——キャリーの扉、洗濯ネット、トイレ
  9. 犬・猫との在宅避難と車中泊——避難所に行かない選び方
  10. よくある質問
  11. さいごに

同行避難とは?——犬・猫と一緒に避難所まで逃げること

環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」では、同行避難は、災害のときに飼い主がペットを連れて避難場所まで避難することです。あくまで「避難する行動」を指す言葉で、避難所で飼い主とペットが同じ部屋で過ごすことを意味するものではない、とガイドラインは明記しています。

環境省が飼い主に呼びかけているのも、ペットとの同行避難です。
チラシでは「ペットが理由で避難しないことは、自分の安全を脅かすことにつながります」と書いています。国の防災基本計画にも、同行避難した人を市町村が適切に受け入れることが、市町村の努力義務として盛り込まれました。

熊本地震(2016年)の記録をまとめた環境省の記録集は、多くの人が「同行避難」を避難先でもペットと常に一緒にいることだと誤って理解していた、と課題に挙げています。

出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」(平成30年3月)、環境省「災害時のペットとの同行避難について」(令和2年8月)、環境省「「防災基本計画」の修正について」(令和6年8月)、環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」改訂案、環境省「熊本地震における被災動物対応記録集」

同行避難と同伴避難の違い——同室避難は国の定義がない

同行避難が「避難する行動」なのに対して、同伴避難は、避難所でペットを飼っている「状態」を指す言葉です。環境省のガイドラインは、同伴避難も同じ部屋で過ごすことを意味するわけではないとしています。ただ、資料や自治体によって言葉の使い方が違うので、表にまとめました。

言葉環境省のガイドライン(平成30年)ほかの資料での使われ方
同行避難ペットを連れて避難場所まで避難する行動。同じ部屋で過ごす意味ではない北九州市は「一緒に避難し、原則、飼い主とペットは別々の場所で過ごすこと」と定義
同伴避難避難所でペットを飼っている状態。これも同じ部屋とは限らない環境省のチラシ(令和2年)は「ペットと人が同じスペースで過ごすことなど」と説明。北九州市は「同じ場所(同じ部屋など)で過ごすこと」と定義
同室避難定義はない環境省の改訂案(2026年・案)は、同伴避難を「同室飼養」「別室飼養」「屋外飼養」「ペットのみ車中飼養」に分けている

環境省はガイドラインの見直しを進めていて、2026年6月には改訂案への意見の募集も行われています。検討会では、同行避難や同伴避難の言葉が正しく理解されていないという指摘も出ました。言葉の意味より大切なのは、自分が避難する避難所で、ペットがどこでどう過ごすのかを知っておくことです。

出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」総説、環境省チラシ(令和2年8月)、北九州市「ペット同伴者専用避難所の設置について」、環境省(2026年6月8日発表)、環境省「人とペットの災害対策ガイドライン改訂検討会」

避難所でペットはどう過ごす?——人とは別の場所で、ケージに入って

避難所には、動物が苦手な人やアレルギーのある人もいて、東京都の避難所の運営指針は、そうした人への配慮から、人とペットの居場所を分けることが求められる面もあるとしています。次に挙げる自治体も、原則として人とペットの居場所は別です。

  • 大阪市:避難所では人とペットは別の場所で生活し、ペットの世話は飼い主が自ら行うのが原則。ペットは原則としてキャリーバッグやケージに入れる
  • 東京都江戸川区:すべての避難所で同行避難ができる。人の生活スペースとペットの飼育スペースは完全に分けられ、ペットは大半の時間をキャリーケースやケージの中で過ごす
  • 東京都練馬区:全ての避難拠点で同行避難を受け入れる。ペットは人と分けた専用スペースで、ケージ・キャリーの中で生活することが多くなる
  • 横浜市:地域防災拠点に「ペットの一時飼育場所」を設けておくよう呼びかけていて、拠点ではケージでの飼育管理が基本。拠点にはフードやケージなどペット用品の備蓄はない
  • 北九州市:同行避難(別々の場所で過ごす)が原則。避難生活が長引いたときなどに、飼い主とペットが同じ区画で過ごせる専用避難所を開く

大阪市・江戸川区・練馬区・横浜市は、えさやりやトイレの片付けなどの世話は飼い主がするとしています。避難所に行けば誰かが面倒を見てくれる、という場所ではありません。

出典:東京都避難所管理運営指針(動物関係抜粋)、大阪市「ペット同行避難対応ガイドライン」、江戸川区「ペットの災害対策」、練馬区「ペットの災害対策」、横浜市「災害時のペット対策(震災)」、横浜市のガイドライン(PDF)、北九州市

ペットを連れて避難所に行くと断られることはある?

あります。避難スペースの問題などから、現実にはペットを受け入れられない避難所もある、というのが環境省の説明です。国の防災基本計画にある受け入れの定めも、環境省の説明では市町村の努力義務で、すべての避難所に受け入れを義務づけたものではありません。

受け入れる避難所でも、条件に気をつけてください。埼玉県の飼い主向けガイドラインは、ペットが入るケージなどを持っていないと受け入れてもらえないことがあると注意しています。
能登半島地震(2024年)の環境省の記録集には、ペットと在宅避難を選んだ理由として「避難所はペット不可と断られたから」「ケージに入ったことがない、しつけができていない」といった声が載っています(民間団体の調査)。

出典:内閣府「ぼうさい」第101号(環境省の寄稿)、環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」改訂案、埼玉県「ペット同行避難ガイドライン(一般飼い主さん用)」、環境省「令和6年能登半島地震における被災動物対応記録集」

ペットと避難できる避難所の調べ方——住んでいる市区町村で確かめる

どの避難所がペットを受け入れるか、どう過ごすかは、市区町村ごとに決めています。知らせ方も、自治体によってさまざまです。

  • すべての避難所で受け入れる:東京都江戸川区、練馬区
  • 原則として決まった種類の施設:名古屋市(原則として市立小・中学校)
  • 避難所の一覧に受け入れの可否を書いている:北九州市
  • 区のホームページやSNSで確かめるよう案内している:大阪市

「市区町村名+ペット 避難所」や「市区町村名+同行避難」で、住んでいる自治体のページを探してみてください。近くの避難所がペットを受け入れるか、ペットはどこで過ごすか、ケージなど持っていく物の決まりはあるか。この3つを確かめておきましょう。受け入れる避難所と、そこでの飼い方を前もって確かめておくよう勧めているのが、環境省の飼い主向け冊子です。

出典:江戸川区、練馬区、名古屋市「ペットの避難・一時預かりなどについて」、北九州市、大阪市、環境省「災害、あなたとペットは大丈夫?<一般飼い主編>」

犬・猫の防災グッズ——必要なものを優先順位で

環境省の飼い主向け冊子は、ペットのための備えを3段階の優先順位で示しています。フードと水は、少なくとも5日分(できれば7日分以上)です。支援物資が届くまで5日ほどかかる場合があると環境省は書いていて、埼玉県は支援のフードが届くまで7日程度かかると言われていると案内しています。

優先順位用意するもの
1 健康や命に関わるもの療法食・薬、フードと水(少なくとも5日分、できれば7日分以上)、キャリーバッグやケージ、予備の首輪とリード、ペットシーツ・排せつ物の処理用具・トイレ用品、食器
2 情報飼い主の連絡先と、緊急連絡先・預け先、ペットの写真、ワクチンの接種状況・持病・飲んでいる薬・かかりつけの動物病院
3 ペット用品タオル・ブラシ、ウェットタオル、ビニール袋、においのついたおもちゃ、洗濯ネット、ガムテープ・油性ペン

注:環境省「災害、あなたとペットは大丈夫? 人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」(平成30年9月)による。

療法食を食べている子は特に気をつけたいところです。埼玉県は、支援で届くフードは一般的な種類のものに限られると書いています。横浜市の地域防災拠点のように、避難所にはペット用品の備蓄がないところもある、と考えておきましょう。

出典:環境省「災害、あなたとペットは大丈夫?<一般飼い主編>」、埼玉県「ペット同行避難ガイドライン(一般飼い主さん用)」、横浜市

犬・猫が避難所で過ごすための日ごろの準備——しつけ・健康管理・身元表示

避難所では、知らない人や動物と近い場所で、長い時間をケージの中で過ごします。
環境省の冊子が犬と猫で分けて挙げている、ふだんからしておきたいことは次のとおりです。

項目犬猫
しつけ「待て」「おいで」「お座り」「伏せ」などの基本のしつけ。ケージに入るのを嫌がらないよう慣らす。むやみに吠えない。人や動物を怖がったり攻撃的になったりしないよう慣らす。決まった場所で排せつするケージに入るのを嫌がらないよう慣らす。人や動物を怖がらないよう慣らす。決まった場所で排せつする
健康管理狂犬病予防注射(義務)と各種ワクチン。フィラリアやノミ・ダニの予防・駆除。シャンプーなどで体を清潔に。不妊去勢各種ワクチン。寄生虫の駆除。不妊去勢。できるだけ室内で飼う(放し飼いだと災害時に行方不明になることが多い)
身元表示鑑札、迷子札、マイクロチップ。避難するときは鑑札と注射済票を着けているか確かめる迷子札、マイクロチップ。首輪が外れるタイプなら、マイクロチップの装着を強く勧めている

注:環境省「災害、あなたとペットは大丈夫?<一般飼い主編>」による。

身元表示は、はぐれたときに家に帰れるかを分けます。能登半島地震で飼い主の分からない動物として保護された中には、マイクロチップを入れていた犬が10頭いて、そのうち3頭は飼い主が分かり返されました。一方で、鑑札や迷子札を着けていたものはいなかったと、環境省の記録集は書いています。マイクロチップは、登録した飼い主の情報が今の住所や電話番号になっているかも確かめておきましょう。

出典:環境省「災害、あなたとペットは大丈夫?<一般飼い主編>」、環境省「令和6年能登半島地震における被災動物対応記録集」

猫と避難するときの注意——キャリーの扉、洗濯ネット、トイレ

猫は、いったん逃げ出すと捕まえるのが難しい動物です。横浜市は、災害があっても猫が家から飛び出さないような対策を求めています。公的な資料にある猫ならではの注意をまとめました。

同行避難|猫と避難するときの注意——キャリーの扉、洗濯ネット、トイレ
  • キャリーバッグやケージに入れて避難する。扉が開いて逃げ出さないよう、ガムテープなどで固定するとよい(環境省)
  • 洗濯ネットに入れると落ち着くと言われ、抱えたり運んだりするときにも使える(大阪市・練馬区・横浜市)
  • 避難先ではケージにタオルをかけて目隠しすると落ち着きやすい(横浜市)
  • 使い慣れた猫砂と、トイレになる容器を用意する(埼玉県)

横浜市は、住み慣れた家で過ごせる在宅避難は猫にとっても負担が少ないと書いています。家が安全なら、無理に避難所へ連れていかないのも一つの選び方です。

出典:環境省「災害、あなたとペットは大丈夫?<一般飼い主編>」、横浜市「災害に備えよう!~愛猫編~」、大阪市、練馬区、埼玉県

犬・猫との在宅避難と車中泊——避難所に行かない選び方

環境省の冊子は、家が安全なら在宅避難も考えるよう勧めています。在宅避難とは、家に住み続けられると判断したときに、避難所に行かず家で避難生活を送ることです。

車の中で過ごす場合、ペットだけを車に残すときは、車内の温度に常に気をつけ、飲み水を十分に用意するよう、環境省は注意しています。人のエコノミークラス症候群にも気をつけてください。熊本地震では、ペットと同行避難した人への聞き取り(59人)で、半数以上の35人が車中泊をしていました。

出典:環境省「災害、あなたとペットは大丈夫?<一般飼い主編>」、環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」総説、環境省「熊本地震における被災動物対応記録集」第4章

よくある質問

Q. 同行避難は推奨されていますか?

A. はい。環境省は、ペットが理由で避難しないことは自分の安全を脅かすことにつながるとして、ペットと一緒に同行避難するよう呼びかけています。ただし、避難所での過ごし方は避難所ごとに違うので、前もって確かめてください。

Q. 避難所にペットのフードやケージはありますか?

A. あると考えないほうが安全です。横浜市は地域防災拠点にフードやケージなどの備蓄はないと案内しています。支援で届くフードも一般的な種類に限られると埼玉県は書いているので、療法食や食べ慣れたフードは自分で持っていきましょう。

Q. 熊本地震では、ペットとの避難はどうだった?

A. 環境省の記録集によると、熊本市を除く16市町村の136か所の避難所を巡回した調査で、85か所に同行避難があったとされています。ところが、調査のときにペットの同行避難を確認できたのは50か所でした。屋内への受け入れを断られた、ほかの避難者に気をつかってペットと移った、ペットだけを家に置いてきた、などが要因として考えられると記録集は書いています。避難所の屋内でペットを飼っていたのは15か所でした。

さいごに

同行避難は、ペットと一緒に逃げることまでを指す言葉です。避難所では、人とペットは原則として別の場所で過ごし、ペットはケージの中、世話は飼い主、という形が、この記事で見た自治体の決まりでした。

だからこそ、ケージに慣らすことと、5日分以上のフードと水は、災害の前にしかできない準備です。今日のうちに、住んでいる市区町村のペットの避難の決まりを一度読んでおいてください。

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